2013年1月20日星期日

これはアウトオオオ! 「放課後ライトノベル」第103回は『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』で

。  それは,ポルノ規制をめぐる議論が過熱している昨今を鑑みるに,決して絵空事の未来図ではない。本作はそんなディストピアを破壊せんとするテロリストたちの死闘を描く物語でもあるのだ。……まあ,やってることはエロ本争奪戦とか,そんなアホなことばっかりだが。  そして本作にはもう1つ,重要なキーワードがある。「愛」だ。  人と人とが愛し合う以上,その先にある肉体的なつながりを無視することはできない。人を過剰なまでに性的なものから遠ざけてしまえば,正しく人を愛することさえできなくなってしまうかもしれない。前段で例示した生徒たちも,正しい知識を教えられなかったばかりにそうした行動に出てしまった,とも言えるのだ。重要なのは情報から遠ざけることではなく,正しく知識を伝えること本書は我々に,そう強く訴えかけてきているように思える。  タイトルや表紙から,10人中10人が色物と断じるに違いない本作だが,その根底には,現代社会に対する鋭い批評眼がある(ような気がする)。未読の人はぜひ,見た目だけで色物扱いすることなく,レジに持っていく勇気をほんの少しだけ絞り出して,本作を手に取ってみてほしい。 ■第6回小学館ライトノベル大賞の受賞作をまとめてチェック 『狩りりんぐ,DarkBlood RMT! 萩乃森高校狩猟専門課程』(著者:森月朝文,イラスト:いわさきたかし/ガガガ文庫)  『下ネタ?』が優秀賞を受賞した第6回小学館ライトノベル大賞ガガガ部門からは,同作を含め5つの新作が世に送り出された。残る4作品も『下ネタ?』に負けず劣らず個性的なラインナップとなっている。  ガガガ大賞受賞の『狩りりんぐ!』は,リネージュ2 RMT,害獣被害が増加し大きな社会問題となっている世界で,ハンターを育てるために創設された狩猟専門課程で学ぶ少年少女の生活を描く物語。学園生活をコミカルに描く一方で,「命を奪う重み」といったテーマにも踏み込んだ意欲作だ。「モンスターハンター」シリーズのファンやサバイバルゲーマーにオススメしたい。  優秀賞の高岡杉成『こわれた人々』では,他人には姿が見えない“ウラビト”と呼ばれる存在と人知れず戦う少年の孤独と悲哀が描かれる。日常の陰で世界を救っている英雄も,そうと知らない人間の目には頭のおかしい人にしか見えない,という,異能バトルものの定番を逆手に取った設定が秀逸だ。  同じく優秀賞の竹林七草『猫にはなれないご職業』は陰陽師ものだが,当の陰陽師がなんと猫。授業中もペンとキャップで妄想するBL同人作家のヒロインを始めとする,登場人物たちのやり取りの軽妙さにくすりとする
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