。ただ,Prime95を実行していないアイドル時でも消費電力値はわずかながら下がっているので,複数のスレッドが同時に走らない状態においても,HT無効化による消費電力の低減効果は相応にあるようだ。 続いて,V8の冷却性能を確かめるべく,アイドル時と高負荷時におけるCPUの温度を「HWMonitor Pro」(Version 1.02)から測定したものがグラフ9である。4コアすべてのスコアを掲載すると,グラフが大きくなりすぎるため,記事には4コアの平均値を掲載している。グラフの画像をクリックすると,完全版を別ウインドウで開くので,興味のある人はそちらを参照してほしい,rmt。 さてスコアは,室温21℃の環境において,PCケースに組み込まない,いわゆるバラック状態で取得したものだが,定格動作時のCPU温度は高負荷時にも60℃以下。Intelのリファレンスクーラーで計測したときは(マザーボードなど,テスト環境が異なるため,あくまで参考値であるものの)70℃台後半だったので,「よく冷却できている」といえるレベルだ。 ただ,そのV8をもってしても,ベースクロックを169MHzに設定すると,CPU温度は90℃近くにまで跳ね上がる。オーバークロック設定時に安定動作を望むのであれば,十分な冷却能力を持ったCPUクーラーが必須となるのは,あらためて指摘するまでもないだろう。 なお,HTを無効にするとCPU温度が下がっているのは,消費電力の検証時と同じく,Prime95の負荷が軽くなったためである。 V8の冷却性能は申し分なし製品版Core i7のOC耐性もまずまず Core i7では,パフォーマンスを左右する機能として,Turbo Modeが用意されたため,それを無効にしてまで,“単に”クロックを引き上げるだけでは,パフォーマンスが伸びないこともある,rmt。この点は憶えておくべきだが,CPUコア電圧を引き上げ,冷却周りに十分な配慮を行えば,i7-965を4GHz前後で常用できそうというあたり,オーバークロック耐性はまずまずあると見てよさそうだ。 もちろん,すべてのCPUがこのクロックで動作すると保証されるわけではないが,V8のようなCPUクーラーを用いれば,Core 2に負けず劣らずのオーバークロック動作を実現できる点に,魅力を感じる人は少なくないと思われる。 プラットフォーム導入コストの問題を抱えるCore i7ではあるが,かなり遊べるCPUであることは間違いない
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